『波動の標的』 (1987) はオカルトAVGブランドとしてのスタジオWINGを鮮烈に印象づけた作品であり、『怨霊戦記』と並ぶ同社の代表作である。
音楽担当は武田昌治氏と宗野晴彦氏(一部K氏)。武田昌治氏が開発した新型サウンドドライバ「W.S.E.S.」が本作から導入され、『魔界復活』をはるかに上回る個性的なFM音源サウンドに到達している。
奇抜な音が波のように押し寄せるそのサウンドは、1988年当時のゲーム音楽としてはあまりに前衛的なものだったといえるだろう。しかして単に「壊れた音楽」ではない。オカルティックなゲーム内容と絶妙にマッチしており、さらにゲーム進行にあわせてサウンドが展開するという、当時まだ珍しかったインタラクションの要素も持ち合わせていた。ある意味でWINGサウンドの真骨頂である。
ちなみにMSX版の音楽はまったく別物……でありながら、こちらも驚くべきサウンドを展開している。ぜひあわせてご鑑賞いただきたい。
* 各楽曲ファイルは『WINGゲーム音楽大全集』収録のものと同内容です。通常のEGG MUSIC商品より若干ビットレートが低くなっておりますが、そのぶんお求めやすい価格でご提供いたしております。なお、まれにオリジナルに起因するノイズや歪み等がございますので、あらかじめご了承ください。