『スーパーヴァリス〜赤き月の乙女』(1992)は、PCエンジンの『夢幻戦士ヴァリスIV』をスーパーファミコンに移植したものである。同機種では最初で最後のシリーズ作品となった本作のゲームミュージックを、EGG MUSICにて初サントラ化した。
PCエンジンのCD−ROMを活かした豊富なビジュアル演出は、スーパーファミコン版では容量の問題からばっさりカットされ、BGMもまったくの別物に変更となった。しかしオリジナル版の音楽が持っていた「優麗なプログレッシヴさ」は、形を変えつつも巧みに引き継がれている。渋味の効いた後期ヴァリス・テイストを、あえてスーパーファミコンのドライなサウンドで味わうというのが、イキな本作の楽しみかた……といえるかもしれない。