すたじお実験室がDOS/Windows95用に開発したリアルタイムSLG。音楽は樋口秀樹氏で、CD-DAによる再生となっている。当時、PC-9801方面で活動していたコンポーザーたちは、DOS/Windowsに移動しはじめていたが、FMやMIDIからの移行期ということもあって、音源や機材も民生用品が多かった。しかし民生用とは思えぬ楽曲の仕上がりで、昨今の業務用機材で作られたものに決して引けを取らない。
恐らくこの作品はSC-88proで作られたと考えられるが、MFXこそ使ってないものの、ドラムスやフィルターの作り込みは極めて入念で、美しい音符並びに目を奪われがちだが実はかなりシンセの奥底まで利用して作られている。樋口氏と言えばその後の作品から「ナチュラル」「アコースティック」というイメージが先行するが、シンセのパラメータにもかなり熟知していると思われる。現在の楽曲もそういった視線で聴き直してみると新たな発見があるかもしれない。