アルシスソフトウェア第一弾『ウイバーン』の各種音源版を網羅したスペシャル・サウンドトラックが、EGG MUSICに登場。誰にも知られないまま埋もれていた幻の山中季哉サウンドが、ここに甦る!
アルシスソフトウェアならではの高度な映像処理と、自由性の高いゲームデザインは、本作『ウイバーン』において早くも確立していた。しかし音楽にだけは、まだアルシスらしさが発揮されていない。なぜなら同社の看板コンポーザーだった山中季哉氏が、この時点でまだスタッフではなかったからだ。
PC-8801版やX1版では長野修氏だけがサウンドを担当し、いかにも当時のロボットものらしい勇壮なサウンドを響かせている。
それから3年後、『ウイバーン』は海を渡る。IBM-PCに移植された本作は、ほとんど別物といっていいほどの変化を遂げていた。そして、これまで全く知られていなかったことだが、このIBM-PC版では山中季哉氏が音楽を担当し、『スタークルーザー』の息吹を感じさせる熱いPSGサウンド*で、BGMを全面刷新していたのである。アルペジオとセルフディレイを駆使した見事なMMLさばきが、チャンネル数をものともしない華麗なサウンドに結実した、まさに幻の逸品だ。
* 「IBM-PCにPSGなんてあったっけ?」と思われた方は鋭い。数あるPC互換機のなかで、実はタンディ社の製品だけは独自にSN系PSGチップを搭載していたのである。『ウイバーン』はそれ専用に楽曲を書き起こした、唯一の日本製ソフトだった。