『38万キロの虚空』(1990)は、システムサコムのノヴェルウェア・シリーズ中で、ひときわサウンド面の評価が高いもののひとつである。モノクロームな近未来SFワールドを彩る、ジャズ基調の渋くも瀟洒なサウンドは、故・斎藤学の手によるもの。『EVOLUTION』に続いて、彼が初めて本格的なMIDIサウンドに挑んだのがこの作品であった。
『38万キロの虚空』は日本のゲーム業界全体においても初のMIDI対応ゲームということで、当時少なからず話題を呼んだ。暖かみのあるMT−32(MIDIシンセサイザ)のサウンドは、くつろいだ味わいで魅せる彼一流のアダルト・コンテンポラリなスタイルと絶妙にマッチするのみならず、シリアスな人間模様を描く本作のテイストにもよく馴染んでいる。
さて、『38万キロの虚空』のゲームミュージックは、過去にも一度CD化されているが、そこにはFM音源版が収録されていなかった。今回のEGG MUSIC版にはX68000版およびPC−9801版のFM音源トラックも余さず収録しているので、そちらもあわせてお楽しみいただければ幸いだ。
※「コンプリート・サウンドトラックスと銘打っていながら、CM−64版が入ってないじゃないか!」というご指摘がおありかと思います。CM−64版はEGG MUSICでも鋭意捜索中ですので、発見の暁には本サウンドトラックを無償アップデートさせていただきます。 ユーザー様からご協力をいただき、一部通販だけで販売された幻のX68000 CM-64版をついに補完することができました! この場をお借りして厚く御礼申し上げます。