大好評を博した『CYBERPHONIC 1』から2年。与猶啓至特有のソリッド&ヴィヴィッドなシンセサウンドが、さらなる洗練を遂げ『CYBERPHONIC 2』として帰ってきた。そしてそれからさらに10年……待望のシリーズ再開を記念し、長らく入手困難となっていた『CYBERPHONIC 2』が、オンラインアルバムとしてここに復活する。
「ひとまずCYBERPHONICシリーズを完成・終結させよう」というのが、本作を制作するにあたっての与猶啓至の狙いだったという。それだけにこのアルバムは、盛り込めるものをありったけ盛り込んだ、とにかく高密度な一枚に仕上がっている。ライナーノーツや資料集など、音楽以外のコンテンツも充実しており、このダウンロード版ではCD版とは異なる、特別仕様のムービーコンテンツを収録している*1。
C-TA, KOYO(WATER CLOCK), 米山正晃, 梅本竜といった数々のゲストミュージシャン参加も本作の大きな特色で、一本気な与猶節で完成された前作とは、その意味で好対照を成しているといえるだろう。ときにアーバンに、ときにトライバルに、ときにロックに振幅をふくらませていく柔軟性を備えながら、全体としては前作に勝るとも劣らない見事な調和性を見せつけている。
『CYBERPHONIC』の系譜は、本作と同時発売されたMOTLEY『CYBERVOYARGE』、そしてその翌年のエピローグ的ミニアルバム『CYBER EXTENSION』(現在もMYU−RECORDINGSより入手可能)でいったん収束した。しかし10年の時を経て、『CYBERPHONIC3』が再び胎動をはじめている。
*1... 1998年川崎CLUB CITTAで行われた「PASSWORD」のライブから「WHERE IS THE MUSIC」の映像を収録(CYBERPHONIC2_01SPECIAL.mov)。個別購入はできませんので、あしからずご了承ください。